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ロアーのblacknessfallのレビュー・感想・評価

ロアー(1981年製作の映画)
3.4
噂に聞いててずっと気になってたやつ。
150頭もの猛獣達が出てくると聞いてたらアニマル・アタック・ラバーの血が騒ぐよ。
噂に違わず出るわ出るわは猛獣達。ライオン🦁トラ🐯ジャガーにヒョウ、そして数は少ないけどゾウ🐘まで。そしてみんなワイルドなんだ。ファミリー・コメディなのにライオン🦁やトラ🐯は肉塊をガブガブ食って口辺に血を滴らせるし、ゾウ🐘なんかボートをブッ壊すんだぜ!猛獣のイキイキした演技?に目が釘付けだよ。

ストーリーはアフリカで多数の猛獣🐯🦁達と暮らす父を、妻と息子二人と娘が訪ねてくる。迎えにきた父と手違いで行き違いになり猛獣屋敷に妻と子供達が先に着いてしまい猛獣達に追いまくられる、ハートフル・アニマル・コメディ。
『ナイトミュージアム』とかのファミリー向けコメディなんだけど前述したように猛獣達がみんな本物で奔放に動くから所々というかかなりの部分おっそろしい笑
昔のショックメンタリー、『グレイトハンティング』に出てくるようなライオン🦁に食い殺されるスリリングでエグいシーンが続出。
部屋のなかに10頭以上のライオン🦁が押し寄せ家族に迫ってくる。ライオン🦁達はそんなマジじゃないんだけど何せ本物なんで牙も爪も殺傷力を感じるから笑いどころなのに怖い笑
娘なんてライオン🦁に後頭部を前足にかけられた時「Noー!Noooooーーー!」って絶対に演技ではない悲鳴あげてたからな((゚□゚;))
この趣旨と演出がチグハグなバランスがサイコーだった笑

この娘役、メラニー・グリフィスでお母さんがティッピ・へドレン、実の母娘。息子2人はお父さん役で監督のノエル・マーシャルの実の息子達。そして当時、ティッピとノエルは結婚してたんで主人公家族が本当の家族なんだよ。

この監督兼父親役のノエル・マーシャルはアフリカの野生動物保護活動家で、なんとこの映画と同じように猛獣達🐯🦁と生活してるエクスリーム・ガイで映画に出てくる猛獣達🦁🐯も彼の同居獣なんだってよ。究極のファミリー映画だよ❗️

何でもノエルがアフリカの猛獣達🐯🦁🐘が絶滅の危機にあることを世界に周知させたいと思い、同じ想いで結ばれたティッピの知名度を使って本作を作ろうと思い立ったらしい。エンドロールにそれらしいメッセージが挿入されている。
気持ちは分かるけど、それならもっとシリアスな映画にした方がよかったような、、でなければ、監督は自分じゃなくてちゃんと撮れる人に任せた方がよかったと思う。
楽しいって言ったけど、本作、ハッキリ言って映画の体をなしてないんだよ。やたらと猛獣達がじゃれたりケンカ(これがガチでなかなか怖い)するのを散漫に撮って、ストーリーはないようなもんで展開のフックも皆無。本物🐯🦁がいっぱい出てきて動いてますってだけなんだもん笑
脚本と監督に猛獣達もクレジットしている。理由は彼ら🐯🦁🐘は自由意思で動いてるから脚本家であり監督であるという趣旨のテロップが冒頭に流れる。意味分からなかったけど、観た後なら分かる。人間の命が危ないシーンがけっこうあるから、確かに彼ら🐯🦁🐘を信用し任せてたんだな、と笑

猛獣🦁🐯🐘達に全幅の信頼を寄せて妻と子供達をこんな危険なめに遭わせるノエル・マーシャルはクレイジーなアニマル・ラバーだよ。彼の高い志より狂気の方が伝わってしまう笑
ティッピも動物保護に賛同してるとは言えどんな気持ちなのかな?と思ったら本作が公開された年に離婚してた笑
本作、完成までに10年ぐらいかかり、映画会社にも見捨てられ北米では未公開の憂き目にあって興行成績も惨敗。それも離婚の一因だろうけど、主因はこんな危ない男とはやっていけないってことだったんじゃないかな笑

しかし、ティッピは波乱万丈だよな。ヒッチコックの『鳥』で鳥達🕊️🦜に追い回されてスターになり、ヒッチコックにガチ恋され拒んだら干されて、今度は本作で猛獣達🐯🦁に追い回されて離婚。なんか実際猛獣に襲撃された松島とも子と同じぐらい動物に因縁のある生涯だと思った。松島とも子と言えば、おれ、若い頃に彼女と数回会ったことがあってババナ🍌貰ったことあるんだよ。この話はまた何かの機会にでも🍌
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