こたつむり

俺たちフィギュアスケーターのこたつむりのレビュー・感想・評価

3.9
♪ ICE MY LIFE 開きかけた手の平に
  貴方を受け止められたら

バカバカしさ満載のコメディでした。
フィギュアスケートの世界を追放されたけど、それはあくまでもシングルの話。ペアならば出場できる!と因縁の二人がペアを組む…という物語なんですけどね。

製作陣が完全に開き直っていますからね。
気が付けば、お下品、お下劣、おゲゲゲのゲ。
ぶっちゃけた話「本作を好きだ」なんて口走ったら人格が疑われるのは確実です。気をつけてください。

まあ、僕は好きですけどね。
でも、これは僕が下品だから…ではなく。
本作の根底に“魂からの解放”があるからなのです。

自分は何処まで行っても自分。
逃げ出すことなんて出来ません。でも、そんな自分を全て愛するのは難しく。誰もが多かれ少なかれ妥協して生きているわけで。いつだって自信満々の“あの赤い人”も若さゆえの過ちを認めようとはしませんでした。

そして、本作の主人公たちはそこで抗っているのです。フィギュアスケートだけが生きる手段だったジミー。セックス依存症のチャズ。二人は自分のことが好きだけど嫌いでもある…そんな姿勢が伝わってくるから、バカバカしい展開も許容できるのです。いやぁ。熱いなあ。

でもね。
本当は難しい理屈なんて捏ねなくて良い物語。
全てを感性に委ねて笑えるか、笑えないか。それだけでした。でへへ。

まあ、そんなわけで。
バカバカしいノリに身を委ねたい作品。
とことん下品なギャグが続きますので(お子様との鑑賞は止めましょう)積極果敢に「アタマを空っぽ」にして涎を垂らすことをオススメします。あうあうあー。

最後に余談として。
劇中のジミーが地味に(ダジャレじゃないよ)日本語が上手くてビックリ。というか、鑑賞後に知りましたが『ナポレオン・ダイナマイト』で主人公を演じたジョン・ヘダーだったのですね。とても素敵な笑顔なので気付きませんでした。ぐへ。

あと、マホーン捜査官も出ていましたね。良いなあ。マホーン。
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