Takaomi

雨に唄えばのTakaomiのレビュー・感想・評価

雨に唄えば(1952年製作の映画)
4.6
ミュージカル映画の金字塔 Singin' In The Rain

サイレント映画界では知らないものは誰一人いない大スター俳優のドン
時代の流れでトーキーに移行することになり、映画を作ることになるのだが。

スターの威厳あるイメージを崩さない彼であるが、栄光にみえる裏ではスターであるが故の
好きでもないリーナとのスキャンダル報道や自身のなさ、孤独なさびしさに苛まれている。

だけど自分そのものを偽っていると分かっていながらも、スターとして酔いしれ、どこか人を見下したり地位を見せつけている一面もあるんです。

そんなスター気取りで 国民の誰が見てもほっておけない彼のことを、
一人だけ動じることもなく そしてスターとして ではなく一人の人として見てくれた 
キャシーに出会ったことですべてが変わることに。

初めはいがみ合いながらもどこか気になる二人。
なかなか素直になれなくて、リーナに嫉妬するキャシーが本当に可愛い。

運命が二人を引き寄せてくれたけれど、好きだからこそ 言葉が出てこない
舞台装置を使って、愛を伝え、踊るシーンがとろけるほどロマンチックで 特にすき。

地位やスターとしてではなく、一人のドンという人間としては半人前なのがどこか安心する。
人間だれでも、完璧じゃないなって思わせてくれます。

役者としては有名じゃないキャシーのおどる姿やアグレッシブに取り組む姿勢を見たドンが
初心を思い出して、積極的にポジティブに、全力で挑戦したりしていき、一人の人として
成長していく姿も見どころのひとつ。

そして有名な 雨に唄えばのシーン  
たとえ嵐がこようとも、心が弾み、いつまでも太陽がさんさんと照らしてくれる。
人を愛するということは 幸せが何度もよみがえり、雨さえも愛おしく思える。

夢があって、愛する人がいれば、それだけで幸せだと唄うのは何度見ても感動する。
笑顔で雨を受け止めていたら変な人だけど、そういう気持ちを忘れずに生きていたいですね。

新しい時代を ものを 取り入れるときは、なにかを犠牲にしたり、それに見合った努力をしなければいけない。

それが時代の移り変わりだけど、落ち込むことなく、歌うことや演じること、踊ること
そして夢を持つことを全力で楽しめばいい。

愛することや生きる喜びを謳歌できることは私たちひとり、ひとりに与えられたプレゼントなのだ。

ラストの演技をすることで大金が転げ込むという発想をし始めた、リーナに罰が当たるのも爽快!!
社長も協力してみんなで幕をあげるなんて。。。 爆笑でした! (笑)

ミュージカルというのは小さな幸せや内なる可能性に気づかせてくれるものだと思った。
そして言葉にできない 愛、人生さえも不思議なほど 伝わってくるのだから魔法のちからですね。

音楽のどれをとっても名曲だし、ミュージカルの本質を知った気がします。

踊り、笑い、愛、夢、希望が詰まったステキなプレゼントでした!!
Takaomi

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