この映画のポスターのイケメンが監督だと知った時は、本当に驚いた!
19歳の青年が何でこんな映画を撮れちゃうの?と。
でも19歳の青年だったからこそ撮れた映画でもあるのかな、なんて思える、リアルな母と息子のお話だった。
母と息子が
「お互いに愛情があるのに伝えられない」
「それどころか反発しあってしまう」
そんな不器用さが至る所で描かれていた。
それは万国共通どこにでもあるような親子の悩みであって、母と息子の微妙な気持ちに共感できる人が沢山いると思う。
親の年齢に近いなら母に、
子供の年齢に近いなら息子に、
どっぷり感情移入して、理不尽さや相手の嫌なところにウンザリする気持ちに「わかる!」と思える。
でも、それと同時に相手の気持ちも、ちょっとだけわかるようになる。
親は子の、子は親の愛情に、ちょっとだけ気づける。
割と暗くて、口喧嘩のシーンなんか物凄くリアルだから一歩間違えると苛々するだけの退屈な映画になりそうなものを、そこは抜群の編集のセンスで補っている。
映像も美しくて、観てて惚れ惚れ。
家具、食器、洋服、息子の髪型(←これは重要)、その他諸々の静物。それだけでもお洒落すぎるのに、それらをより引き立てるお洒落な撮り方!!!
19歳の青年が撮ったとは思えない、才能に溢れるデビュー作だった!
”僕は母を殺した”の意味、
”今日僕が死んだらどうする?”の答えが素晴らしい。