フライ

デジャヴのフライのレビュー・感想・評価

デジャヴ(2006年製作の映画)
4.3
ちょっと特殊なタイムリープを使ったSF・サスペンス・スリラー
二回必見の本作は、色々な面白さと巧妙な展開で最高に楽しめる作品。冒頭の残酷さとは裏腹に、気持ちの良いラストが粋で尚更好きに!

ニューオリンズでは祭りを祝う沢山の人達が、ミシシッピ川をフェリーに乗り陽気に騒いでいたが、突如大爆発。543人もの犠牲者を出す大惨事に。
デンゼル・ワシントンが演じる優秀な捜査官ダグ・カーリンは、現場に残る遺留品などから事件と判断し、混乱する捜査本部に伝える。FBIが捜査の指揮をとる事になるが、ダグの相棒ラリーにも捜査協力を仰ぐが休みで連絡が取れなかった。
ダグが職場に戻り防犯カメラ映像を確認していると、怪しい人物が映るも特定には至らなかった。仲間から、女性から電話があり折り返し連絡して欲しいと伝えられ、電話するも留守電になりメッセージを入れる。そしてダグは捜査して行く内、事件に関連する奇妙な出来事に次々遭遇して行く。
FBIに能力を見込まれたダグは、捜査協力を頼まれる。捜査施設に行くと厳重な警備と見た事も無い巨大な装置が有り、その装置は時間を遡り4日と6時間前の映像を確認出来、それを利用し犯人を探し出すと言うものだったのだが。

冒頭の衝撃的な爆発シーンで作品の世界観に引き込まれる上、ストーリーが進む内に色々な伏線と、謎めいたシーンが最高に生きて来るだけに観ていて終始ワクワクした。特にこれ迄見たことの無いタイムリープを使った事件捜査は、絶妙な制限を科す事で、焦れったさとイライラで面白さを増しているのが良かった。終始緊張感のある展開の中、終盤の盛り上げ方も素晴らしく、ラストの粋な展開も生きて来るだけにとても楽しめる作品だった。この手の作品はどこか粗が見つかるが、かなり練られたストーリーと完成度の高さには感動すら覚えた。
昔からデンゼル・ワシントン独特のやり取りが好きなだけに、本作も安定の圧倒的な演技に魅了された。

少し複雑な内容なので集中して見た方が良い作品だが、もし時間に余裕が有るなら二回観ると色々なシーンにタイムリープ作品特有の発見と面白さを感じると思うので、是非とも再見を!
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