DJりん

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンのDJりんのレビュー・感想・評価

4.1
実話に基づいているということに驚きつつも楽しめた作品。
まず私が一番に思ったのは主人公フランクがめちゃくちゃ可愛そうだなということだった。
母親はかなり序盤の方からクズ臭が凄かったけれど最後では正真正銘のクソババアだったことが判明したので、当然フランクは母親をあてにしていない分父親を愛していたしよく慕っていたんだろうなというのがとても伝わってきた。
実際逃亡を続けている間も父親には手紙を出し続けていたし、たまに会ったりもしていたことを考えてもきっと父親だけには心配かけたくなかったんだろうなというのが見ているだけでも充分に理解出来た。
でもだからこそそれは無いだろ…という結末が待っていたことがとても悲しかった。
百歩譲ってこれが完全にフィクションなら救いがない映画と割り切れるけれどこれが実話なんだから可哀想すぎるだろと思わずにはいられなかった。
もしも父親が事件的なのを起こして離婚することは避けられ無かったとしても母親がここまでクソじゃなければ恐らくフランクの人生は変わっていたはず。。
私より幼い年齢でここまでのことが出来るのだから普通に勉強して有名大学に進学してその後は大企業の即戦力にだって余裕でなれていたと思う。
だからこそ司法試験の話を聞いた時は凄いなと思うと同時にとても勿体ないなと思った。
それに恐らくフランクは途中からは純粋にFBIとの追いかけっこを楽しんでいる様にも見えた。
これは多分だけれど追いかけっこのスリルを楽しむと同時に母親のことで空いた寂しさと言う名の心の穴を埋めようとしていた部分もあるんじゃないかなと感じられた。
だからカールとの最後の駆け引きは純粋に楽しんでいる様に見えたし捕まってしまった時も、もう充分に楽しめたから特に後悔は感じていなかったんじゃないかなと思った。
多少の脚色はあるにしても1人の人生を基にここまで面白い作品を作れるのは凄いなと思ったし気になっている方には是非見て欲しい作品だった。
DJりん

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