ハレルヤ

ぼくの大切なともだちのハレルヤのレビュー・感想・評価

ぼくの大切なともだち(2006年製作の映画)
4.1
美術商を営む主人公のフランソワ。自分に友達がいないことを指摘されたことで「10日以内に親友を連れてくる」という賭けをする。ある日偶然出会ったタクシー運転手のブリュノから人と仲良くなるコツを教えてもらうことに。彼との交流から本当に大切なことを学んでいくコメディドラマ。

友達とはどういう存在なのか。誰にでも考える時があるであろうテーマ。そこに真正面から切り込んだ作品。そのテーマについて2人の男の姿を通じて描き出します。

自分の周りは友人だらけだと勝手に勘違いしていたフランソワ。自らがひねくれ者で他人への思いやりが無いという事に気づかない彼の姿を見ていたら、僕も自分自身の事を色々考えていましたね。

そんな彼が自らを見直すキッカケになったのがブリュノとの出会い。誰とでもすぐ打ち解けれるような明るい性格で、彼の考えには人生における生き方に対するヒントも盛り込まれているように思えました。

素直な性格で何でも知ってる博学だけど、緊張する時だと極度のあがり症になってしまうところもある。そういうところがまた人間味があって良いキャラクターです。

見てたらあっという間に1時間半が過ぎていましたね。特別テンポが良い訳ではないですが、登場人物たちやそのテーマも含めてずっと引き付けられる内容だったからでしょう。

ラストも1年後に飛んでましたが、その1年の間の2人はどんな感じだったのかが気になりました。そこまで描いたらキリがないんでしょうけど。笑

人間ドラマの秀作を数多く作ってきた監督のパトリス・ルコント。本作もその秀作群の仲間入りと十分言える作品でしょう。
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