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ギルバート・グレイプのhirogonのレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.0
昔にTV放映で見ましたが、再鑑賞。

昔見た頃は、ジョニー・デップもレオナルド・ディカプリオも俳優としての名前は意識せずに見ていました。
ジョニー・デップは、若いギルバート役の演技が瑞々しい!
ギルバートの弟アーニー役のレオナルド・ディカプリオが迫真の演技!
知的障害を抱えたアーニー役を演技と思わせないような自然な表情と動きで演じます。

本作は、田舎の街で色んなしがらみに縛られている青年ギルバートの経験と葛藤や成長を描く物語。

ギルバートの家族が暮らすのは、エンドーラという田舎の街。
ギルバートの家族構成は、
父アルバート~11年前に地下室で首吊り自殺。自殺理由は?
母ボニー~夫が自殺した後、過食症となり肥満症に。肥満がひどく今ではめったに外出もしない(昔は美人だったらしい)
長男~既に家を出ていて、映画冒頭の家族紹介で説明されるだけ
次男ギルバート~父亡き後、実質家族を支えている。今はラムソンさんの店で働いている
長女エミー~家事を切り盛りしている
次女エレン~学校に通っている。歯の矯正具がとれて間もない
末弟アーニー~知的障害と虚弱体質で10歳まで生きられない?と言われていたが、まもなく18歳の誕生日

ギルバートは街と家族に縛られていて自由が制限されている状態で、カーヴァー夫人と不倫関係にあります。
特に母親とアーニーは、自分のことを自分で処理しきれないため、何かと手がかかる存在です。
カーヴァー夫人も、街と家族に縛られたギルバートの合わせ鏡のような存在。
ギルバートが夫人に「何故、僕を選んだのか?」と問うシーンがあります。
夫人の回答は「あなたなら、この街を出ていかないと思ったから」

そんなエンドーラの街に、キャンピングカーで旅をしているベッキー(ジュリエット・ルイス)達がやって来て、車の故障のためにしばらく滞在します。
ベッキーはラムソンさんの店にも買い物に来て、商品の配達をするギルバートとも徐々に親しくなっていきます。


(以下、ネタバレ)
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その後、ギルバートの周りで起きる種々の出来事が淡々と綴られていく。
アーニーの警察連行、カーヴァー夫人の夫の溺死事件、アーニーの誕生祝い、ギルバートとベッキーの恋、街を去るベッキー、、、等々、そして母親の死。

ギルバートは、死んだ母親を家から運びだす作業のために他人にさらすことを嫌って、母親とともに家に火を放ちます。
母親の死を悲しみつつも、それは街と家族からの解放の象徴のようなシーンです。

そして1年後。エミーは町のパン屋の店長に。エレンもエミーと一緒です。
ギルバートとアーニーは、ベッキーが再びやって来るのを待っています。
これからギルバート達の新しい生活が始まります。
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