理か

山の郵便配達の理かのネタバレレビュー・内容・結末

山の郵便配達(1999年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

愚痴はこぼすな❗️道は足で歩け❗️

中国は広い。日本とは桁違いだ。
最初の人家が続く道は明日香や吉野に似ているなと思っていたら、
棚田が広〜〜〜〜〜〜〜く広がるところを豆粒の大きさで歩いていた。
日本の風景だと、あの画面の大きさなら四隅はもちろんもっと畦道や道や森が点在しているが、何も無く棚田のみで画面一杯。
一度配達に行くと、二泊するのか。
90°ほどの勾配でロープを伝って登る道もある。

仕事に誇りを持つ父。
仕事自体が誇りだから、表彰や昇進は眼中には無い。
母は可愛い息子に苦労させたくない。
父は、
息子だから安心。
しかし、息子だから可哀想で悪いとも思う。
三ヶ月会えず、息子が生まれた手紙を読み
職場で盛大に祝ったことを話すと、
息子が初めて「父さん」と呼んだ。
父子関係がギクシャクするほど過酷な仕事か。
まだ仕事に疑問を持つ息子に、
友人や知識が増えるぞ、とも言う。

盲目で半身不随のおばあさんには、
孫のふりして手紙を定期的に書く(ふりして読む)
賢いのに通学せずに通信教育で優秀な成績を取る少年には、父のように見守る。

そして、息子に背負われた父は、昔、
息子が幼く自分がおぶっていた頃を思い出し、
そっと涙を拭い、
息子は、
「郵便物より軽い‥‥。」と言う。

疲れて寝ていた息子が、元気よく
郵便配達に出かけて行き、
見送る父の表情は、温かく厳しい。
理か

理か