NAO141

八日目の蝉のNAO141のレビュー・感想・評価

八日目の蝉(2011年製作の映画)
4.2
第35回日本アカデミー賞で10冠を獲得した作品。テーマは〈母性〉。
女優陣の演技がとにかく素晴らしい。
千草役の小池栄子も良かったなぁ。
彼女は『大奥 華の乱』というドラマで〈お伝〉という人物を演じていたが、あの頃から女優さんとして良い演技をするなぁと思っていたのだが、今回も良かったな。あのドラマ、〈信子〉という人物の役で藤原紀香も出演していたが、彼女も凄味のある演技をしていたのを思い出す笑。中島美嘉の「Dear」も沁みる。学生の頃、よく中島美嘉を聴いていたなぁ♪

(という思い出話はさておき)
本作の率直な感想としては、
〈女性ってやはり凄いなぁ〉
〈母親ってやはり凄いなぁ〉
これに尽きる。
女性の方は何かしら共感出来る部分がある作品なのかもしれないが、これは男性が見ても何か考えさせられるものがある。恵理菜(薫)、希和子、恵津子、それぞれに感情移入が出来てその誰もに同情もしてしまいそうな…切ない話。観る時に視点をかえると誰の立場も理解出来るというか(もちろん誘拐はダメだが)。
なかなかの良作。

本作で個人的にマイナスな部分は、希和子が逃亡中に身を寄せた「エンジェルホーム」のあの独特な雰囲気がちょっと苦手…という部分と笑、不倫相手の男性になんだかなぁと思う事くらいかな。「単なる浮気じゃないんだから!」って、なんだよ…とは思った笑。男性のクズっぷりが嫌だが、確かに希和子(永作博美)も不倫をしていたわけで…しかし、なぜか希和子に感情移入するというか…。
人が生きるって大変なことだなぁ、
人の持つ〈業〉というものはいやはや、
と複雑な気持ちで観終えた。

〈八日目の蝉〉
蝉は何年も土の中にいるのに地上に出てきてからは7日しか生きられない
→蝉がみんな7日で死んでしまうなら悲しくない、8日目の蝉がいたとしたら自分だけ残ることその方が悲しい
→8日目の蝉とは他の蝉とは違うけれど他の蝉が見れなかった素晴らしい景色を見ることが出来るのかもしれない

八日目の蝉、
すなわち〈他の蝉とは違う蝉〉。
他とは違うということを、
恵理菜(薫)、希和子、恵津子は
どう感じるのであろうか。
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