円柱野郎

ソルトの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ソルト(2010年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

主人公役のアンジェリーナ・ジョリーはこの手のアクションはお手のもの。トラックの上を飛び回り、銃撃戦を繰り広げ、接近格闘で相手を始末するという、イメージに合った見事なアクションを繰り広げてくれます。が、ある意味イメージ通り過ぎる感じもする。
元々はトム・クルーズが演じるはずだった主人公を女に設定を変えた経緯のある作品なんだけど、男ではありきたりなスパイ映画になったところを女に変えたところは新鮮味が出て良かったと思う。ただ、前述の通りアンジーではアクションのイメージに安定感がありすぎて何でも解決できそうに見えてしまうので、個人的にはアン・ハサウェイのような線でも良かった気も。
ストーリーは結構ムチャクチャしている。国家間の戦争を煽るなんて、一昔前のスパイ映画を観るような荒唐無稽さ。それに主人公の出自をめぐるミスディレクションも、観客の目を欺くことを前提にした設定や見せ方のせいで、今ひとつ話のリアリティが欠けてしまって勿体ない気が。追いつ追われつの駆け引きは名作スパイアクション・「ボーン」シリーズの影響がありありと見て取れるけど、事態を広げすぎたストーリーとそのご都合っぽい展開のせいで、正直“ボーンの亜流”という印象以上にはならなかったかな。
円柱野郎

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