タキ

リンカーン弁護士のタキのレビュー・感想・評価

リンカーン弁護士(2011年製作の映画)
4.3
タイトルがダサいゆえ、チョイとばかり心配してたけど、トータル大変面白く、ちゃんとしたリーガルサスペンスだからタイトルだけで食わず嫌いしないで!とみなさんにお伝えしたい。
リンカーンとはかの偉人のリンカーンではなく、アメリカの高級車リンカーンのこと。この車の後部座席を事務所にして裁判所を渡り歩くアウトローの弁護士が主人公なのだ。普段は娼婦や麻薬の売人などの弁護を請け負い不当に高い弁護料をふんだくったりしているのだが、ある日保釈金金融業者のヴァルから金になると紹介された不動産業者のドラ息子の弁護を引き受けることになる。このドラ息子、司法取引なしの無罪を主張するのだが、その様子のおかしさから依頼人の裏側を探るうちにリンカーン弁護士ミックも事件の当事者として巻き込まれていく。
まったくの悪徳弁護士ではないちょいワルなキャラクター設定がありがちではあるけれど魅力的。かつて自分が弁護した男を無実であったにもかかわらず終身刑にしてしまった罪悪感に苛まれ、「有罪無罪ではなく無実を見抜けないことが怖い。いま1番怖いのは純粋な悪だ。」と弱音を吐く。彼には超えてはならぬ一線がちゃんとあるのだ。
ストーリー中盤で真犯人は分かってしまうのだが、そうするとリンカーン弁護士は依頼人の無罪を勝ち取るのかはたまた自分の信念を貫くかのどちらをとるのか、マシューマコノヒーの抑えた演技に最後まで目が離せない。
ミックと対峙する依頼人ルイス・ルーレ役の彼も上手く見応えがある。
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