タキ

1秒先の彼のタキのレビュー・感想・評価

1秒先の彼(2023年製作の映画)
3.6
台湾版の原作を見てからの鑑賞。
男女逆転のせいかこっちの方が断然見やすい。麗華にとっては初恋だったんだろうけど、それ以上に両親を亡くして悲嘆に暮れるあの頃の自分を元気づけてくれたハジメへの感謝の気持ちが溢れていた。これは清原果耶のパブリックイメージにある清廉さが大いに効いていると思う。時間が止まったのは二人だけではなく、もうひとりバスの運転手(荒川良々)もいて、なんとなくいつもそばにいるというのも意識のない人間を恋心を持っている人間が連れ回すというキモさの軽減に役立った。そうは言ってもやっぱりハジメの気持ちが置き去りなのが気になる。どういう気持ちで天橋立郵便局に異動してきたのか。それは果たして恋心なのか。
画数の多い名前を書く時間の蓄積が閏日を作るという日本ならではの独自ネタは面白かった。いかにも京都にいそうな難読苗字で笑った。洛中で大学生活を送った身としては、京都はやたら大学生が多いとか百万遍は京大性がうじゃうじゃいるとか、なんてことない小ネタでもくすぐられる。
ところでパピコ。調べたら今は160円(税抜)とのこと。白いパピコがニコイチで100円だった頃にお父さん出奔したんだね。白い方ですねと麗華が言ってたのは白と茶色(チョココーヒー味)では価格が違ったのかもしれないけど、麗華の時間軸どうなってる???

誰よりも圧倒的に華があるおかだまくんのヒロイン感に納得。
山下監督×岡田将生×宮藤官九郎対談↓
岡田将生への信頼感から生まれた“男性ヒロイン”が主人公。山下敦弘と宮藤官九郎の初共作映画『1秒先の彼』 https://barfout.jp/steppinout/culture/4671/
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