世界大戦中、日本統治下の上海で繰り広げられる日本の傀儡政権幹部と彼を暗殺しようとする抗日女スパイの禁断の恋愛ドラマ。
でも、恋愛ドラマに見えないな、これ。
幹部の人間的魅力に触れて女スパイが恋してしまうわけだけど、この幹部が全然魅力的に見えない。抗日工作員を片っ端から検挙して壮絶無比な拷問にかける冷酷な腕利きで明晰な頭脳を持ってる設定だけど、そういう描写は一切ない。幹部役トニー・レオンなんだけど、ダークムードを醸し出す仏頂面ででありながら洗練された紳士的な雰囲気を出してるけど、女スパイの魅力にイカれてひたすらセックスしてるだけだから笑
しかも、トニー・レオンの性癖が完全なドSで二人になるや速攻で女スパイをベッドに押し倒しベルト抜くと女スパイの背中を激しくムチ打ち、ベルトで彼女の腕を後ろ手に拘束して犯すという凌辱系のAVのようなエグさでドン引きした。
こんな合瀬を繰り返すうちに女スパイはトニー・レオンを好きなるって理解できねえわ、、
こんなのただの変態のエロおやじじゃんかよ、、笑
なんか当時の不穏で陰気な社会背景を通奏低音にして格調高げに撮ってるけど、やってることはやむ得ぬ事情で嫌いな男に抱かれてるうちに性の快楽で最終的に嫌いな男の虜になりました系のAVと同じだよ笑
社会背景と言えば女スパイ、ワキ毛の処理をしてなくてかなりフサフサだったんだけど、当時はそれが普通だったのかな？上流階級のマダムに擬態してたんだけど。
この、どこがそんないいのか分からないキモいおっさんとのエグいセックスにハマっていく美しい女性を見て呆気に取られる感覚、前にもあったと思ったら『キリング・ミー・ソフトリー』だった。とても似てる。『キリング・～』は不可解さが突き抜けてておもしろかったけど笑
アン・リー監督の映画はこれが2作目でその前は『ハルク』だった。あれも変に格調高かったけど、ハルクが父親との歪んだ関係にずっとメソメソべそべそいじけてるだけで全然おもしろくなかった。合わないのかも知れない。いや、合わねえんだ、絶対。
コロナ以降、CS/BSや配信頼りで、何となくそこにあるからってだけでチョイスしてしまい、本来観るべきものを観てない気がする。『イカゲーム』や『ドント・ルック・アップ』はおもしろかったけど話題になってるから流されてチョイスしたよな。これにしても有名な作品だしやってるから録画しただけだよな。主体性を奪われてるような気がする。無駄に時間と金をかけて『痴漢ドワーフ』や『恐怖の火あぶり』を観てた頃に戻るべきなんじゃないのか？
資本と利便性にスポイルされるな！！
とは言えコロナは収束の兆しがないし、配信便利だしな、今さら手放せないな、、。
資本と利便性にスポイルされながら主体性を持て💨😬
