十一

レインマンの十一のレビュー・感想・評価

レインマン(1988年製作の映画)
4.2
再見。漫画「ファイアパンチ」のトム・クルーズ論は秀逸だったが、その意味でこの映画が一番、トム・クルーズらしいと思う。もちろん、彼が本当はどういう人物なのか知る由もないのだが、少なくとも、彼がどういう人物でありたいと思っているのかが、画面越しに伝わってくる。純粋で繊細な永遠の青年。老いを落下と捉えるなら、彼の体現する神話的な若さとは、落ち続けるために第一宇宙速度を目指す維持し続ける人工衛星のようなもので、それに対し本作では衛星軌道に至るロケットのようながむしゃらさに、人間的な若さが垣間見えて味わい深い。
十一

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