斬切りバーニー

映画 闇金ウシジマくんの斬切りバーニーのネタバレレビュー・内容・結末

映画 闇金ウシジマくん(2012年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

⚠️以下は私情を挟んだ愚痴となりますので、嫌いな方は読むのをご遠慮願います。


何を隠そう、私は未集金回収業務をやっている。
一言断っておくが、金貸しではない。医療事務に関わっているのだが、診療・薬代を払えない患者が一部いるということは、病院あるあるだと思う。

詳しく話すと長くなるので端的に言うと、医者が患者を拒んではいけないと法律で定められている。ゆえにラーメン一杯の食い逃げ、タクシーの乗り逃げのように、医療費未払いで警察に通報することはできない。

ならば、生活保護でも申請し医療費支払いを行政に任せればいいとなるが、問題は医療費を払えなくとも収入があることだ。低収入なり年金なりをもらっている人は、生保にもなかなかなれない。そして、医療費の支払いは一番後回しになる傾向があり、結果お金が足りず払えない事態が毎回続く。

しかし最も悪質なのは、そういった病院の弱みに漬け込み、お金はあっても踏み倒そうとする輩だ。こういう人達との対話は、本当に神経を擦り減らされる。

一応、法律事務所に未集金回収を依頼する場合もあるけど、それは本当に最終手段であり、というか手数料が大きいので、上司が依頼を嫌う手合いがある。苦労は絶えない。


今までウシジマくんは、気分が沈むと思い避けてきたが、どうにも胸糞悪い事案があって、むしゃくしゃする気持ちをどうにかしようと鑑賞に至った。

思いっきり私情が絡み、まっさらな気持ちで見ることは難しかったけど、今作から私は学んだことがある。それは、絶対に舐められたら駄目だってこと。

実はこれは私の周囲とも意見が一致していて、最初は支払う気があったとしても、何度も見逃してもらえるうち図に乗って、支払わなくても良いと考えるようになる。温情はその場しのぎにしかならない。何年も支払いが滞り、膨らんだ借金の大きさに手の打ちようがなくなるのだ。

支払えないものにはごめんなさいと頭を下げ、1円でもいいから払ってくれる。そういう真摯な気持ちが、私は何より嬉しい。

お金のない人に限って、自分の首を自分で締めていることに気づかない。苦しいことから決して目を背けないで、真摯に向き合うしかないのだ。