斬切りバーニー

ザ・ピーナッツバター・ファルコンの斬切りバーニーのレビュー・感想・評価

3.7
兄を失くした孤独から物を盗み、さらに放火までして、逃走する漁師。そして、プロレスラーを夢見て、施設を脱走したダウン症の少年。この二人が偶然出会い、プロレスラー養成学校に向かうというロードムービー。

そんなあらすじからか、真面目で教育的な映画かと思っていたが……いや〜良かった!! 良かったとは、見て良かったという意味。押し付けがましい感動や結論のような台詞がなくとも、そこから学びを得ることは、良作の条件と言えるだろう。


ーー漁師とダウン症の少年。
それぞれ違う立場の登場人物の、どちらに感情移入するかで、感じ方は変わってくると思う。その両方に思う所はあるものの、私は第三者的な立場で客観的に捉え、『人との出会い』についてを考えさせられた。

それは今が3月で、別れの季節でもあるからだろうか。その人の人間性はなかなか変わるものではないけれど、この映画のように、もし変わる可能性があるのなら、それは人との出会いからかもしれない。

人と関わることとは、外からの作用だ。内ではどうにもならなくても、否応なく外から影響されれば、事態が動くこともあり得る。そして逆に、自分が誰かの人生を左右する場合も然り。

人との出会いを大事にしたいね。