わたもち

シンドラーのリストのわたもちのネタバレレビュー・内容・結末

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

スピルバーグってSF以外でもこんなに素晴らしい映画撮ってたんだ…
🏆️アカデミー賞7部門受賞は納得オブ納得🎊


ナチスのホロコーストを扱う作品として非常に有名な本作。
実は大学生の頃に映画好きの友達からオススメされて早速観たものの、そのあまりにショッキングな(でも史実に忠実な)映像に耐えられず途中でギブアップして以来、食わず嫌い化していた。
(二十歳手前の女の子が「めっちゃ良かったで!」言うてオススメしてきた映画で、まさか罪もない小市民がゲーム感覚で無作為に射殺されるシーンが次々登場するなんて思いもしないじゃないですか…)

ということで10年ぶりくらいのリベンジ鑑賞。


3時間超の大作ではあるものの、実話に基づいた骨太ストーリーにそれぞれハマりまくった主要キャストの演技に引き込まれ、退屈さは感じず、体感では2時間半くらいだった。



▼主要キャスト3人が神
主人公オスカー・シンドラー役 リーアム・ニーソン。
ユダヤ人の会計士でありシンドラーの右腕イザック・シュターン役 ベン・キングズレー。
ナチスのヤバい奴アーモン・ゲート役 レイフ・ファインズ。
この3人が素晴らしすぎた!

丁度40歳頃のリーアム・ニーソン、色気駄々漏れだし、役も役だけに格好良さが尋常じゃなかった。
ゲートのメイドに「大丈夫、そういうキスじゃない」と断って額にやさしく口づけするシーンは素敵。こりゃプレイボーイにしか出来ませんわ。降参。

シンドラーと対照的に悪一辺倒で描かれる(というか実際そうだったんだろうが)ゲートを演じたレイフ・ファインズもお見事。
この時代ナチスにわんさかいたであろうマジゴミクソ胸糞野郎で到底許しがたい人間なんだけど、鏡の前で「お前を許す」言うてる自分に酔ってる感じがなんとも滑稽でありながらも狂気的な美しさも感じる、そんな一種のカリスマを持ったヤバい奴。
ベランダから囚人を射撃しまくるのは本当に胸糞。実話というのだから尚更胸糞。人間の所業じゃない。。。

そして
シュターン役 ベン・キングズレー!
いやもうむちゃくちゃ良かったこの人!
最初相性▲だったシンドラーとの関係が彼の行動を見ているうちに徐々に変化して友情が芽生えるのが本当に感動的だった。シンドラーとシュターンがお酒交わすところは落涙。


クライマックスのシンドラーが皆の前から去るところは号泣。
久しぶりに嗚咽漏れるレベルのボロ泣きでした。


最後にモノクロからカラーに変わって、シンドラーが救った人々が、役者と実際の御本人が手を取り合って、シンドラーの墓標に石を置いていく演出が沁みる。




▼名場面に名台詞
・シンドラーが友人でもあるゲートに語った、“力とは、人を殺す正当な理由がある時に殺さない事だ。”が素晴らしい。
これを受けて一瞬改心したかのように見えたゲート、結局変わることは出来なかった…。

・ゲートの快楽殺人話を聞いて結局SOS直訴してきたパールマン嬢の両親引き取るシンドラーに感動。

・ナチスが来る前に病人に毒飲ませて苦しませることなく逝かせる医師。胸が痛い…。

・子供向けBGM流して子供を死へと誘導する残酷さ。。。

・列車に水をぶっかけるシンドラーに 「残酷だな。(死にゆく者たちに)希望を与えるな。」と言うゲートたち。
ここのシーンは考えてしまった。ゲートの言う理屈も分かってしまうだけにずっしり来たなあ。。



▼その他所感
・蝶番おじさん好き。シンドラーの工場に行けることになったシーン嬉しくてうるっときた。

・生々しい描写も特徴的。血や人が殺されるシーン、全裸、おっぱい、おてぃんぽが苦手な方は多分観ない方がいいです。小説にとどめておいた方がよろしいかと。(その後の主の末路を露知らず無防備にぶらさがったおてぃんぽが切ない。いまだかつてこんなに哀愁漂ういちもつがあっただろうかいやない。)

・ゲート役のレイフ・ファインズ、なんとあのヴォルデモートを演じたお方!(いやわかるわけない)

・エンドロールの後の“翻訳 戸田奈津子”のパワー




人間としての尊厳、希望を打ち砕くナチスの行いは同じ人間として決して許せないし忘れてはならない。
勿論、ナチスだけではない。我々日本人も戦争に加わり多くの非人道的な事をしてきた事実があるだけに決して他人事ではない。
難しいことは言えないからシンプルに。
やっぱり、戦争はクソだ。



“アーモン・ゲートもオスカー・シンドラーもどちらも権力をもっていたんですが、一方はそれを殺人に、もう一方は人の命を助けるために使ったんです。”

紛れもない、これが正義の力。
わたもち

わたもち