smithmouse

ピープルvsジョージ・ルーカスのsmithmouseのレビュー・感想・評価

3.5
SWのミッシングリンク”ローグ・ワン”が公開間近でテンションは少し高め⤴︎( ´ ▽ ` )。
でもあんまり上げると飛べないかもしれないからハードルは下げて行こう⬇︎( ´ ▽ ` )。

「やあインディ。いいケツしてるな。」

SWユニバースの創造主ジョージ・ルーカスとその被創造物であるキャラクター、それらを愛して止まない信者達を取り巻くなんとも可笑しな世界を描くドキュメンタリー。
”愛の反対は無関心”とはよく言ったもので出てくる人々はみんなありったけの愛と憎しみと言う名の歪んだ愛をぶつけていく。

マーケティングやコマーシャリズムに憤りながらも雁字搦めになり次第に商業主義に染まっていくベイダー卿とダブって見えるルーカス、”自分達のSW”を信仰し続けるピュアでルークの様な真っ直ぐなファンとの間の絆は微笑ましいものから次第に感情の糸が縺れた複雑なものへと変わっていく。
「聖書を書き換える様な行い」と言われたオリジナルと特別編の間の看過できない差異、旧3部作と新3部作の間の断絶など創作物がソーシャルな神話になることで作者ですらアンタッチャブルな雰囲気になっていく過程が味わえるのはこの映画の魅力。
アメリカ社会が如何に文化というものに真剣に取り組んでいるかもわかる。

ファンメイド文化に対する寛容さから来る初代3部作を愛して止まない人達の作品を見てると、SWからはオープンソースソフトウェアに近い雰囲気を感じる。
ルーカス初め限られた人間から発するウォーターフロー式に築かれた緻密な伽藍では無く性別年齢を取っ払った有象無象達の喧しい混沌としたバザール振りは優れた文化が自己増殖していく様で興味深い。
ルーカス風リメイクの”雨に唄えば”やルーカスのミザリー風は面白かった(^ν^)。
ジャージャーの嫌われぶりが可哀想で見てられない(´Д` )。
SWサーガにディズニーが絡む事でこのフリーかつ愛に溢れたムーブメントに影がさす事になれば残念な気もする。
(この映画のミッキーマウスには全てモザイクがかかってる!ハハッ!)

少し皮肉なオープニングアニメと少し泣ける様なエンディングも印象的で面白かった。
窮屈な神様と脳天気な信者達の映画。
smithmouse

smithmouse