イルーナ

スパイキッズのイルーナのレビュー・感想・評価

スパイキッズ(2001年製作の映画)
4.0
【スパイファミリーの大先輩】

普段はバイオレンスな作品の印象が強いロバート・ロドリゲス。
しかしデビュー作の短編『BEDHEAD』は兄弟ゲンカを描いた作品……というか出演者もスタッフもほとんどが自身の兄弟姉妹という、実質ロドリゲス一家のホームムービー。
その後のオムニバス作品『フォー・ルームス』は全体的にアダルティなタッチのコメディでしたが、ロドリゲスのパートのみ子供に振り回される大人という、『ホーム・アローン』みたいなノリ。
トドメに彼自身ビックリドッキリウェポン、もといアイデア武器の描き方に定評があります。
『デスペラード』のギターケース型マシンガンにロケットランチャー、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』の股間に仕込まれたピストル、聖水入りコンドーム爆弾などなど……
その荒唐無稽さは絶大なインパクトだけでなく、たっぷりと含まれたユーモアにゲラゲラ笑いつつ童心に帰った人も多いはず。
こうして見るとロドリゲスは、ファミリー映画はもちろん、様々なガジェットが活躍するスパイ映画と相性がいいと言えますね。

こうして出来上がった本作は、見せ場に次ぐ見せ場、ギャグに次ぐギャグ、童心に帰れるスパイグッズの数々。
まさに「こういうのでいいんだよ、こういうので」という痛快娯楽作でした。
しかし、チーチ・マリンやダニー・トレホが出てくるとやっぱりロドリゲス作品だということを認識させられますね……
この二人の存在がファミリー向けの本作の中で異彩を放ちまくってて、別の意味でハラハラさせられるw
にしても、登場人物の多くがロドリゲス自身の家族から取られているそうですが、叔父がFBIの特別捜査官、いとこが元ガチの犯罪者の悪役俳優って……
ロドリゲス自身の万能っぷりといい、一体この一族どうなっているんだ?!

個人的に一番お気に入りなのは、司会者兼発明家のフループ。
奇怪なデザインセンスの狂育番組……もとい子供番組の司会者という設定はもちろん、その風貌がピーウィー・ハーマンそっくり。
さらに発明家という設定はウィリー・ウォンカっぽい。
おまけに彼のキャラソンが『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』みたいな雰囲気で、正直彼のパートだけティム・バートンが監督なのか?と思っていたら……
何と本作のメインテーマとフループのキャラソンは、バートン作品でおなじみダニー・エルフマンが作曲していた!
昔は気づかなかった部分が、知識が身につくと気づくもんだなぁ……

アニヲタwikiにまとめた記事
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/55046.html
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