イルーナ

ゴーストバスターズ/アフターライフのイルーナのレビュー・感想・評価

3.8
リブート版の失敗後、「1・2」の正統続編として新たに作られた本作。
再始動まで紆余曲折あったシリーズですが、本作のテーマはイゴン(ハロルド・ライミス)の弔い合戦。
さらに本作の監督は「1・2」の監督ジェイソン・ライトマンで、公開直後に先代のアイヴァン・ライトマンが逝去。
様々な縁や絆や運命的なものを感じさせる本作ですが、主役となるのは孫世代。
イゴンの孫娘のフィービーはあまりにも可愛いすぎて理想の眼鏡っ子。
母からの「友達作ったら?」の返しに「原材料は?」のセンスが好き。
初めてできた友達のポッドキャストも、イゴンの孤独な戦いを知って皆が感動している中で「しんどっ」。よく言ってくれたという感じです。
しかし、初代の事件を一切知らなかったというのがリアル。そりゃ40年近くも経っているものね……
おまけに、それまでのシリーズはにぎやかな大都会が舞台だったのが打って変わって田舎町が舞台に。
ジュブナイル路線になっただけあってどこか郷愁を感じさせますが、全編通して荒涼とした背景が広がっているのはシリーズの背景も相まって寂寥感が半端ない。
そのため今までのシリーズの雰囲気を期待していると「?!」となりかねないかも。

ですが本作は同窓会的な作品だけあって、ファンサービスはバッチリ。
ECTO-1にプロトンビームパック、マシュマロマンはもちろん、門の神と鍵の神、破壊神ゴーザも揃い踏み。
ゴーザはジェンダーレスの元祖と言われていたのが時代の流れを感じる。門の神と鍵の神はやっぱり下ネタw
今回のマシュマロマンは小型の群れで登場しますが、相変わらずかわいい。
さらに高く積み上げられた本、ネバネバしたゴーストの痕跡、設定だけの存在だったイヴォ・シャンドアの登場など、細かい所まで押さえられているのですが……
話が本格的に動き出すまでかなり遅い!初代がバスターズを立ち上げてからとんとん拍子で有名になっていったから尚更。
ネタは早い段階で割れているのに、中々核心まで行かないのでじれったい。
ラストバトルも、初代がマシュマロマンという映画史に残るレベルの一発ネタで名を刻んだのに対し、本作はだだっ広い荒野だから絵的にも地味……

しかしそうした欠点も、初代バスターズ揃い踏みで帳消しになった方も多いはずです。
相変わらず軽口を叩きながら仕事するピーターの姿には「お帰り!」って感じだし、何よりCGで登場したイゴンの姿にジーン……
エンドロールのおまけもまたジーンとなる内容。初代で影の薄かったウィンストンがこんなに出世していたとは。
色々と懐かしくなる要素がいっぱいで、まさに同窓会って感じの作品でした。
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