スティーブン・キング原作のホラー映画って、大ヒットしたものじゃなくても、エンターティンメント性があって面白いですよね。ネフリ・オリジナルの『ジェラルドのゲーム』『1922』も面白かったんですが、この『1408』も、昔観て案外面白かった記憶がありました。
『呪われたホテル10選』『おばけが見れる墓地10選』など、心霊スポット巡りをして本を書いている作家のマイク・エンスリン(ジョン・キューザック)は、「ニューヨークのドルフィン・ホテル・・・・1408号室には泊まるな」と書いた葉書を受け取り、興味深々で部屋を予約しようとするが、頑なに断られる。
なんとか予約を取って行ってみると、チェックインの際にホテル・マネージャー(サムL. ジャクソン)は、過去にたくさんの人がこの部屋で死んでいるので、泊まらないで欲しいと説得する。マイクはそれを押し切って1408室にチェックインするのだが・・・・
このホテル・マネージャー役のサムL. がなかなかハマってます。スーツ似合うし、ちょっと『パルプ・フィクション』のジュールズを彷彿とさせるキャラ。あんまり出番がないのが残念だけど、サムL. 的には、軽く出てお金が稼げて嬉しいかも。
その代わり、出ずっぱりなのがジョン・キューザック。1408室にチェックインしてからは、ほぼ一人芝居です。
ホテルには必ずデジタル・アラームがあって、朝ラジオで目覚まししてくれるじゃないですか?『恋はデジャブ』でもありましたよね?毎朝 “I Got You Babe”(捕まえたよ〜)ってかかるじゃないですか。あれが『1408』ではカーペンターズの "We've Only Just Begun"(始まったばっかりだよ〜)で、勝手にデジタルの数字がばらばらばらばら〜!!って巡って1時間のタイマーを刻み始めたり、色々ホラー的仕掛けがあるんですけど、「わっ!」ってビックリさせるっていうよりも、心理ホラー的な感じです。
そういう場面の繰り返しなんだけど、意外と「つまらない」と思わないで観れるのは、それにリアクションするジョン・キューザックがかなり健闘しているからかな?と思いました。
マイクは元々正統派な小説を書いていた人なんだけど、娘を亡くして妻とも上手く行かなくなり、心霊スポット本を書き始めたらしいんだけど、そういう自分の後悔や罪悪感が1408室で悪夢となって現れるらしい。
父親との確執みたいのもあるのですが、こっちはちょっと割愛されているっぽくて、良くわからなかった。
考えてみれば『ジェラルドのゲーム』でも『1922』でも、主人公の「過去に起こった身近な人との確執」が出てきますよね。スティーブン・キングにとってはそういうトラウマが一番のホラーなんだろうか。