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羊たちの沈黙のKのネタバレレビュー・内容・結末

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます


相関図が完璧すぎる…。
レクター博士がクラリスさんをお気に入りにする理由は博士の基準を超えたかどうかでしかないけど、それは異常犯罪者という肩書が全て肯定してくれている感があるので違和感がない。(筋がある程度通っているようにも見えるけど普通に会話していない警官殺してるので悪なのは変わらない)
逆にクラリスさんはプライベートの話がレクター博士のところでしか出てこないのがこの作品の肝かなと。なので奇妙な関係であっても正当性がある。

「本質を見ろ」という言葉はクラリスと犯人の今の行動は過去のトラウマや過去からの憧れからこそ繋がっているという核的なものを浮かびあらわせ、その時点から一気に物語が立体的になった気がする。

過去があっての行動なんてのは当たり前なんだけど、正義感一筋で事件解決に挑むクラリスと異常犯罪というある意味で真っ直ぐに目的遂行する犯人は共通するものがある。

クラリス自身気付いていなかったが、最後のレクター博士の「子羊たちの悲鳴はまだ聞こえるか」という問いで、彼女は自分が過去の出来事に縛られてFBIに入ったという自身の本質とそれを克服させてくれたのが博士であったと分かり、微かな笑みのようなものを迎えて物語はエンディングを迎える。

完璧。。。
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