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羊たちの沈黙のtmcてむしーのレビュー・感想・評価

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
4.4
2022年23本目

ストーリー
FBI訓練生のクラリスは、女性の皮を剥ぐ連続殺人鬼バッファロー・ジョーを追っていた。
殺した人間の肉を食べる凶悪犯、ハンニバル・レクター博士に事件についての助言をもらうため、クラリスはレクター博士に近づく。


今となってはクライムサスペンスで当たり前に行われる「凶悪犯のことは凶悪犯に聞け!」系の展開。
これ元ネタは全て羊たちの沈黙なのかな?わかんないけど、こういうことって実際にあるんですかね?いくらサイコパス同士でもどこかにいる誰かが考えていることなんてわかんなくない?

見ている人もクラリスのように徐々にハンニバル・レクター博士に心を許してしまう。
最初はキモいオッサンだなと思ったのに…そして中盤で人を殺すレクター博士を見て、自分にだけ懐いてた熊が村一つ滅ぼしたみたいな衝撃を受ける。

レクター博士もバッファロージョーも、やっていることは人間が家畜に対してやっていることと同じ。
殺して肉を食べ皮を剥いで衣類を作り着飾る。
ジョーが犬を愛しているのもそう。愛玩動物は可愛がっているのに、家畜に対しては残忍に扱う「人間らしさ」の象徴のようでした。

起承転結のはっきりしているストーリー構成と、自然と観客を物語に誘導する導入と、題名にもなっている「羊たちの沈黙」の意味。
クラリスの中の羊は沈黙したけど、次の羊は人間なんだよな。