tmcてむしー

母性のtmcてむしーのレビュー・感想・評価

母性(2022年製作の映画)
3.6
ストーリー
母親をこよなく愛するルミ子は、娘・清佳を産んだ後もずっと母親を愛していた。
ある嵐の日に母を亡くし、夫の実家へと身を寄せたルミ子だったが、そこからは地獄のような日々を送ることになる。
一方、成長した清佳は母を助けようと力を尽くすが…

***

この映画には4人の母が登場する。
主人公のルミ子、そしてルミ子の母、夫の母である姑、そして子供を身ごもった娘の清佳だ。
母に愛されねじ曲がってしまったルミ子
母に愛されなかったからこそまっすぐに育った清佳
娘を愛しすぎて狂ってしまった姑
誰もが誰かの「母」であり「娘」である。

ルミ子なりに一生懸命、誰かの娘であろうと努力していた。
ただ、母親になれる器ではなかったというだけ。
ルミ子が母親だったことなんてただの一度もないな、と思わずにはいられなかったが、それでも子を産んだ以上は、清佳にとっては母親なんだな…と。

私も清佳のように、愛されないまま、母親との仲に疑問を持ち、大人になってから「あの人はああいう人だったのだ」と思うことができたクチなので
清佳の人格にすごく共感する点が多かった。
幸せになってほしいと思っているのも本当だけど、あの母のようにはなりたくないし、自分がどういう母親になるんだろうと不安もある。
子供を産んだら、清佳もたまに母や父のような人格で子供と接していることに気が付いて寒気がする瞬間があるはず。

どんな母親でも、子にとっては母親。