“いま本当の惨劇を目に焼き付けるために”
33分のアウシュビッツ処刑場のドキュメンタリー映画。
夜と霧は囚人を識別する名前から取られている。
対人インタビューは無く、あらゆる資料映像と写真が淡々と流され、そこにいささか詩的なアランレネ監督(多分)のナレーションが加わる。
モザイクなしの死体の山々が処分されていく動画はまるで作り物かと疑ってしまうくらい無機質。
ここを“都市”と呼称する皮肉がエッジが効いていて生々しい。
今や世界的観光地化しているこの土地に、訪れた人々は一体何を思うのだろうか。
地上波のドキュメンタリー番組では流せない悪意と悲しみの塊みたいなものがガッツリ収められた映像群でした。