フライ

スプライスのフライのレビュー・感想・評価

スプライス(2008年製作の映画)
3.9
何年か前にたまたま見た作品でタイトルは全く覚えてなかったが、本作に出てくる生物の異質さは頭から離れない独特の気持ち悪さが有り、見た途端思い出させてくれた。更にストーリーや本作の主役である二人の科学者の気持ち悪い倫理感の無い行動が強烈で、エロキモイメスの生物の容姿、行動とも重なりとても見応えのある作品。

科学者のクライヴとエルサは、様々な動物のDNAを組み合わせて生物を作り、家畜用の色々な病気に対応する特殊なタンパク質を作った事で会社に認められる。だが二人が目指すのは、人のどんな病気にも対応出来るタンパク質を精製する為で、人間のDNAを使った生物実験を会社に提案するが、役員から倫理的な問題で反対されてしまう。だがクライヴとエルサの探究心は止まらず、密かに実験を繰り返し、遂に人に似た得体の知れないメスの生物ドレンを創り出すのだが…。

序盤は気の進まないクライヴと、実験に前向きなエルサの対象的な行動に、観ていてエルサに苛立ちと不快感を覚えるが、作品が進む内にクライヴがメスの生物ドレンに惹かれ異常行動にでるシーンは、大きな見所。
異常なスピードで成長するドレンは、何にも例えられないエロキモグロい姿で目を引くものが有るし、色々な設定の秀逸さに、面白さを感じた。
全体的な細かい設定と内容、科学者エルサの家庭環境や性格、ドレンとの関係など余りにも上手く構成されるストーリー展開に、全く目が離せない気持ち悪さを覚える素晴らしい作品に思えた。

何とも形容し難い気持ち悪い作品なので、とても進めずらいが、鑑賞するなら強烈な不快感を覚悟の上でどうぞ。
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