よしまる

フレンチ・コネクション2のよしまるのレビュー・感想・評価

フレンチ・コネクション2(1975年製作の映画)
3.8
 観たことない続編を1作目観なおしてから観てみようシリーズ、刑事物の傑作フレンチコネクションの2を初鑑賞。

 ドキュメントタッチでニューヨークを縦横無尽に奔走するポパイ刑事を描いた1作目。フランスの麻薬王シャルニエをあと一歩まで追い詰めて取り逃してしまうモヤモヤする前作から、ポパイはついにマルセイユへと乗り込む。

 言葉の通じない異国でも性格は相変わらず。市井のフランス人とのやり取りが全部オモロイw

 なかなか進まない話から、まさかの策略により麻薬王にシャブ漬けにされてしまうポパイ。
 まだ麻薬の恐怖、禁断症状を正面から描いた映画が皆無だったこともあり、映画の半分近くを費やしてリアルに描ききる。名匠フランケンハイマーのこだわりが感じられる描写が続き、前作のスリリングな追いかけっこやカーチェイスが見られないのでちょっとヤキモキさせられるが、そのぶん立ち直ったポパイの爆発力がすごい。ラスト15分くらい、前作の勢いを取り戻すかのように走って走って走りまくるハックマンの名演が素晴らしく、胸のすくような結末は1のエンディングにモヤモヤした人も全員が納得する見事な「続編」に着地した。

 ハックマンは後年のインタビューで、前作とは色の異なるサイコスリラーだと胸を張り、ただ評価が低いとすればそれは1作目と比較されるからだろうと語っている。   
 まさにその通り。

 ヤクからのリハビリ中に、フランス人刑事との長いトークタイムがあり、アメリカとフランスの文化の違い、性格の違いをうまく捉えた名シーンなのだけれど、台本もなくほぼフリートークでカメラを回し続けたと知ってたまげた。なんだこの人たちの役者の完成度はw

 1よりも面白い!と手放しで褒めちぎるほどの出来とは言い難いものの、異なるアプローチで対決を描きしっかりと着地させたフランケンハイマーの手腕はさすが。これまで観てなかったことを恥じるとともに、こんな歳になってからでもちゃんと観て良かったな自分w