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キリング・フィールドの79のレビュー・感想・評価

キリング・フィールド(1984年製作の映画)
4.2
カンボジア・ベトナム戦争の延長線。クメール・ルージュがカンボジアをのっとり、ベトナムと戦う。

2時間越えだけどあっという間。過去を知らない人間として見ておくべき映画だなと思う。最近、地獄の黙示録を見たので、ベトナムの脅威もわかるが、カンボジアは野蛮なだけでなくさらに独特な思想を持ち合わせて危険なことを思い出した。アメリカ軍も怯えた、もっとやばい感じ。
地獄の黙示録のように、作り手のスパイスが効いている映画として面白い作品というよりも、実話を元にしていてジャーナリズムが強い、メディア的な役割の作品。ディア・ハンターみたいな、戦争がもたらした人々の生活よ。しかも、軍人じゃない。まあ軍人も普通の人だけど、もっと地に足のついた一番端っこにいる人たちな感じ。カンボジアとベトナムの政権・外交も同時期に色々行われているのだけど、一切上のことは出てこない。骸骨のシーンで、これはポル・ポトか、と感じたくらい。やたらと会話にドイツ車を好むセリフが多いのも。

アメリカメディアの記者シドニーと、通訳コーディネーター的なカンボジア人プラン。印象的なのは、どうしようもない時、カンボジア人は説得やお願い・頼み込みで乞うが、アメリカ人は通用しないから頭脳や技術で確たる事実を作って覆そうとする。でも、1人で4人を助けたのに、4人で1人も助けられないなんてね。
あとは、音楽がなかなか独特ね。シンセサイザーの音、プッチーニのオペラ、ジョン・レノン。幅がすごい。この辺は急に80年代感じるな、俺のこの音楽で伝わるだろ!最高だろ!な強気な感じ。

ほぼCGなし?わかったの1箇所くらいかな。だから映像のスケールや惨さは地獄の黙示録と同じくらい。朝のパナームは出てこない。アカデミーでも撮影賞。プラン役の人も。(下記wiki抜粋)

カンボジア人助手のディス・プランを演じたハイン・S・ニョールはカンボジア出身の医師で、実際に4年の間、クメール・ルージュの元で強制労働に就かされた経験を持つ。演技経験のまったくない素人であったが、この作品でアカデミー助演男優賞を受賞した。


英米合作映画だけど、イギリス主導でしか映画化できなかったのかな。「Imagine」が全てを物語ってた。
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