「美しい」と「おぞましい」の間の感覚を行ったり来たり。
一般的には変態かつ犯罪者とみなされる男の話なのに、耽美で浮遊感があって緩やか。
特に音楽の敢えてのミスマッチ感がすごい、酔いそうなレベル。人の命がなくなる瞬間を描いているのに、思春期の少女の日常を描いたシーンにでもかかってそうな穏やかなピアノ曲。そして多用されるスローモーション。
やってることは間違いなく犯罪なんだけど、彼なりの倫理観の元でやってるから、なんだかギリギリ美しく観れちゃう。
洋画だけど間違いなく岩井俊二作品。
特に自然光に浮かぶ蒼井優の透明感ある横顔をアップで撮ることに対する執念のようなものが、間違いなく岩井監督のそれだと感じました。
レディバード役の人もとても素敵だったな。儚げがあって守りたくなる感じ。