ドント

東海道お化け道中のドントのレビュー・感想・評価

東海道お化け道中(1969年製作の映画)
3.5
 1969年。わるいヤクザが塚の前でいいヤクザと墓守の爺さんを殺し、告発状を拾って逃げた娘と、いいヤクザの子分・百太郎を東海道を辿るように追っていく。しかし塚を汚されたこの世ならざるものどもが、悪い奴らの影に忍び寄る……
 大映が送るオバケ映画三作目ながら人情時代劇・股旅物としても仕上がっている好作。バチアタリな輩を脅しまくって最後は罰を下す存在としての妖怪や怪異はいわばトリの演歌歌手みたいなもの。旅人と七歳の娘の短いながらも細やかな交流、旅の途中で出会う変な奴ら、父子の人情物語など旅ものの王道を行きつつ、要所要所にオバケが出てきて子供を助け悪人をシメる。因果応報の枠を出ないので安心して観れる。
 妖怪そのものはあんま怖くないんだけど、派手ではないがちょっとしたトリック撮影や特撮が効いていて大変にいい感じ。野ッ原にいきなりどでかい石燈籠が現れたり、その石燈籠がオバケに変わったりするシーン、クライマックスの仕置で今さっきまで動いていたヤクザの一人が苦しんだかと思ったらスルスルッと上に引き上げらられて落ちてきて死ぬシーンなどはオオオッ!! とすげー盛り上がった。こういうパッと観れて腹八分みたいな映画はいいですね。
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