ひでG

キッドのひでGのレビュー・感想・評価

キッド(1921年製作の映画)
4.5
クリスマスの夜
最高級の作品をチョイスした自分に、
自画自賛!😝

どこかの国に映画を観たことがない人かいたとしたら、
インド映画「PK」のように宇宙から来て地球のことを吸収しようとしている異星人かいたとしたら、

彼らに
「映画ってこういうものだよ!」

「人間が100年前に生み出した素晴らしいものだよ!」
って、紹介するのに、最良のフィルム!

良い映画の全てが1時間以内に凝縮されている。

本当はTSUTAYAで「なんか面白い映画ない?」なんて悩んでる人たちにも、是非薦めたいのだが、
残念なことに、多くの作品があり過ぎて、ダイヤモンドの原石を見つけられないままの人が多い。

今回、ほんとに久々に観たのて、もう少し細かく書ける部分があると思う。

放浪者チャップリンが捨て子を育てる。でも、そこに法の手が、そして、生みの親は、、、

このダイナミックなストーリーを、わずか
52分という尺の中でまとめ上げる力。

物語の骨格になる部分。
なぜ、女は子供を捨てなければならなかったか、捨てたことをどう思っているか、
これがきちんと描かれなければ、中盤からの母親の行動が「捨てておいて今更」というエゴとして観客に写ってしまう。

その大切な骨組みをわずか冒頭4分で示すのだ!何たる技術!何たる芸術!

そして、4分後に我らがチャップリン登場。
その後の数分のシーンで、チャーリーが最初から慈愛満ちた聖人ではないことを表す。
ここもキーポイント。

聖人だから、捨て子を拾ったんじゃない。
むしろ、こんな底辺の人なのに、決して道徳的な人ではない彼が、子育てをするって、ことこそ、本作の肝になる。

当然のことながら、そのことをサイレント、セリフなしで見せていく。

絵で見せる映画の原点!
これから映画を撮る人には、必ず観て欲しい!って、関係者じゃないけど訴えたい!

でも、作品後半、ちょい喜劇にならない部分を見つけた。

福祉に子供を連れていかれ、絶望するチャーリー。
自宅の玄関で夢を見る。これが割と長い尺

ちょっと不思議な場面。
想像なのだか、彼はワイヤー喜劇を見せたかったのかな、でも、喜劇としてもやや外している感じもする。

それから、この喜劇=悲劇の結末。
育ての親か生みの親か、

これは実際に観て欲しいのだが、彼はあくまで喜劇作品としてのホイルを守りたかったのかなって、思いました。

映画ファンの皆さんに、
1日遅れのメリークリスマス🎁🎁🎅

さあ、新作も観てくぞ!
ひでG

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