緋里阿純

バンテージ・ポイントの緋里阿純のレビュー・感想・評価

バンテージ・ポイント(2008年製作の映画)
3.5
スペインのマヨール広場での対テロ国際サミット会場にて、アメリカ大統領の狙撃事件が発生。その場に居合わせた護衛のエージェントや観光客、犯人等様々な登場人物の視点から事件を追体験し、次第に真相が明かされていく。

過去鑑賞済みながら、未markだったのと内容が朧げだったため、地上波放送のタイミングで再鑑賞。

過去に大統領を護衛し、見事に襲撃を防いだエージェントのバーンズが主人公なのだが、作品の性質上様々な人物の視点が交わる為、群像劇に近い。

テンポ良く事件の数分間が繰り返され、その度に新たな発見があり、次第に事件の輪郭が現れていく構成は面白い。しかし、特定の人物に感情移入するのは難しい作りの為、没入感は浅い。あくまでもワンアイデア勝負の作品と言える。それでも、終盤のカーチェイスシーンはまずまずの迫力。
また、シガニー・ウィーバーやフォレスト・ウィテカー等、脇を固めるキャストが意外と豪華。

犯人グループの女性と地元警察の男性の関係等、考察出来る最低限の説明こそあるが、もう少し関係性の掘り下げもしくは登場人物を絞っての展開がされていれば、よりストーリーに入っていけたと思う。

とはいえ、短い上映時間でテンポ良くワンアイデアを展開するのが目的の作品である以上は、これがベストなのかもしれない。
傑作とまでは言えないが、群像劇アクションの佳作といったところ。
緋里阿純

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