ひば

ホーム・アローンのひばのレビュー・感想・評価

ホーム・アローン(1990年製作の映画)
5.0
見返したら泥棒と実際戦う時間は少なくて、不在により家族という存在を見つめ直すこと、幸せ満ちる町を一人さ迷う孤独、理想的な地域コミュニティの有り様、大人が抱える問題とそれを大人同士でケアすること(家族を気にかけない人もいる話とかも)など見所がたくさんあってとてもよかった。教会で「怖いものは向き合ってなくすんだ」と説いた後に家に向かって対泥棒戦に備えるのは老兵ではなく8歳。なんとなく入った聖歌練習中の閑散とした教会という設定も良いし、わかっちゃいるけど自制できないことや地下室が怖かった話のもって行き方も良い。良いところしかない。祝福。
クリスマスでちょっと賑やかな中でも日常を過ごしてる人たちの描写が良い。休暇を楽しみ混雑を疎む空港の人々、万引き被害店、一人の子供を不審に思う姉ちゃん、浮かれた町を警備する警官、繁忙期かつ浮かれ人間対応続きの不憫なピザ屋の兄ちゃん、出張音楽隊、嫌々コスプレ民…町のみんなが実はケビンを気にかけ話をしてくれる。10歳前後だったとしてその年で大家族と不仲、忘れられ旅行に置いていかれとなったら落ち込みそうだけど人多すぎて自由もプライベートもなさそうだよな。人多すぎて親も常に心が落ち着かないし、ちょっと目を離せば雪の路面走り回る子供なんて気が気でなくなる。旅行側の子供だったとしてもクソ生意気弟一人のために引き返したら絶対ふて腐れる。
異変、刻々と近付く敵の侵略と略奪、情報収集、運の味方、物資補充、ニアミス、数を多く見せる威嚇、戦い直前の最後の平穏と誓い、天候や環境によるコンディション、防衛線を引く、籠城戦、士気をくじく心理的ダメージ、支援要請、白兵戦など戦争映画要素も揃っている
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