こたつむり

ホーム・アローンのこたつむりのレビュー・感想・評価

ホーム・アローン(1990年製作の映画)
3.9
Welcome to my house on Christmas Day 2017

一人映画、一人焼肉、一人カラオケ…。
そんな言葉があるように、世間では“独りでいること”が異質である…という雰囲気を感じてしまうのは気のせいでしょうか。確かに僕の学生時代は“独りでトイレに行く”というのはご法度でした。そんなに“誰かと一緒”じゃないと不安なのでしょうか。

でも、それが家族だと話は別ですよね。
自分しかいない家で「俺が王様だ」的な気持ちで楽しめるのも数日間。いつもよりも家が広く感じるのは…やはり寂しいからなのでしょう。

そして、それが肌感覚で理解できるからこそ、本作は誰もが楽しめる作品に仕上がっているのです。しかも、主人公《ケビン》を演じたマコーレー・カルキンが反則級にカワイイですからね。そりゃあ、共感しやすいわけですよ。

更に彼と相対する泥棒も、どこか“間抜け”で憎めないのです。何しろ、無法者のくせに時間を守りますからね。彼らがルーズな性格で時間よりも早く襲撃していたら…本作は成り立っていないのです。だから、本作が楽しいのは彼らの存在が重要。主人公の魅力だけでは物語は光り輝かない…そんな原則を思い出しました。

しかし、どれだけ“間抜け”であっても、大人の彼らが8歳の子供に撃退されるのは、やはりファンタジィ。そこにリアルを追い求めてはいけないのですが、さり気なく“真理”を織り交ぜているのが本作の侮れないところ。

それは“大人だって怖いものは怖い”ということ。だからこそ、子供たちに向けて“勇気”を教えることが出来るのです。そう、まさしく「巨大な敵に立ち向かうノミ。これは“勇気”と呼べるだろうかねぇ」なのですよ。ねえ。ツェペリさん。

そして、その他にも。
どんなときでも“準備が大切である”ということも示唆していました。まさしく「段取り七分」。それが仕事をスムーズに回すコツです。今日の明日で納期を迫るような客先には本作を見せたい気分ですな。というか、週末の夕方に「月曜日の朝が納期です」と言う輩は業火に焼かれろ。自分の指で窒息してしまえ。

…えーと、まあ、そんなわけで。
久々に鑑賞しましたが、やはり楽しい作品でした。クリスマスの定番…というのも頷ける話です。

でも、本作が現代風味にリメイクされたら、子供がひたすらにゲームで遊んでしまって「え。家族なんて何日も居なくても大丈夫」なんて答えそうで怖いですね。
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