橘

東京原発の橘のレビュー・感想・評価

東京原発(2002年製作の映画)
3.9
ギリギリのライン…でもないや、完全に国を皮肉って、問題提起しようとしている作品に思えます。面白かった!!
ギリギリ過ぎるので取り上げられてないのかも?豪華キャストなのに勿体ないです。
台詞の数々も、画面も時折キレッキレでは…みたいなのあるし、承認欲求モンスター配信者を約20年前に描いてくる先見の明。
東日本大震災の後だと菅原さんと一徳さんがここまでとぼけたキャラにならないだろうけれど。。

都庁内はほぼ会議室のワンシチュエーションなのに会話劇凄い。演者さんたち画面に被らずよい感じに並べたりギッシリ詰まれるのも好きでした。
東京都に原発を誘致する是非を云々して、ラスト30分くらいでうわぁとなって皆さんで小さくガッツポーズよかったね…となったので、配信者エピソードは要らないのでは?彼棒読みだし、と思ってたけどこれは必要。
最後まで気が抜けないまま終わりました。これは。。。

何がヤバいって、カップ酒カパカパ空けながらプルトニウム積んだトレーラー運転している塩見三省さん。これアルコール依存症でリストラされたからトレーラー運転手なのでは?
それにしても岸部一徳さんの格好良さ。都庁の廊下も背広のポッケに片手入れて歩く。


「何言ってんですか、国のやることに責任者なんかいるわけないでしょう」←この人も国家機密その辺で喋ってしまう。。警察官とか凄い顔して見てる。
「日本の原子力に関する情報公開はロシアにも劣る」(これアメリカの何か組織の人の発言だそうだけれど検索の仕方が悪いのか出典がわからない…真偽は如何に)「何も鯨食ってるからってそこまで言うこと無いだろ!!」一徳さんのキレ芸。
「国の政策を傍観してるってことは賛成するのと同じことだ」
「この世に絶対なんてことがあってたまるか」


役所広司都知事も、段田安則副知事も良い。
こんな台詞のオンパレードなので逆に注目されないように隠してあるのかな?と穿った見方をしてしまいます。
あ~でも皇居のお濠で冷却とか言ってるのもまずいのかも。。
橘