きた

ロスト・イン・トランスレーションのきたのレビュー・感想・評価

3.0
タイトルと最初のCM、写真の撮影からディスコミニケーションをテーマにした、言うなれば『バベル』をもっとシンプルにしたやつなのかな?と思ったけど全然違う。

タイトル、めちゃかっこいいけど「翻訳において失われるもの」なんてちょっと大げさすぎる。描かれてるドラマは至って普通。日本に来た外国人の文化的言語的隔絶による孤独。言葉の通じる身の回りの人たちとも通じあえない…そういう2つの孤独な魂が出会う話。そういう意味では『夜叉』にも近いんだけどあれより余計な要素が少なくて、動きもない。

しかし、この平凡なドラマを引っ張るのが強烈なセンスの画!だから成り立つ!…であってほしかったんだけど残念ながら自分的にはそれもそこまででもなく…。わからない。当時見たら、あるいはまた10年後ならちょっと違ったかもしれないんだけどカメラが映し出す東京の捉え方も別に驚くような画作りでは…。

ラストシーンだけはよかったかも。雑踏の中ってのも陳腐な気はするんだけど、何かこう2人の離れがたい感じはとても伝わってきて、あそこは体温があった。あとやっぱ若い頃のスカーレットヨハンソンだね。星3つ中の2は彼女の点数です。
きた

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