タコ社長

プロヴァンスの贈りもののタコ社長のレビュー・感想・評価

プロヴァンスの贈りもの(2006年製作の映画)
3.2
この前見たボヴァリー夫人の延長で、目的はヨーロッパ的自由時間を見る事だった。

おそらく作り手もその事を注視していただろうことは、主人公が後半上司と話すところのセリフ

本物の絵はいつ見るんだい?

からわかるのだけれど、

この映画は、内容を詰めすぎていて、本来重要な、ナンセンスでセクシーな余韻が生まれる間合いというものが、ほとんどなくなっている。

あるいは、あからさまにその余韻を、主人公の回想シーンで置き換えている。

言いたいのは、この映画は忙しないということだ。

さらに、製作側の意図なのか知らないが、外から見たヨーロッパ、というような偏った視点で映画ができているので、まるでツアーガイドみたいで、おそらく、これぞマリオンコティヤール!なんてことにはならないだろうと思うと、つまらない。

全てが出来合いのものの詰め合わせなのだ。

まぁ、けれども、このヨーロッパ的自由時間を再認識する作品ではあった。