タコ社長

レイニーデイ・イン・ニューヨークのタコ社長のレビュー・感想・評価

3.7
ストーリーは予告編を見てなんとなく察していた。ローマでアモーレ、ミッドナイトインパリ、のように、何故かタイプが合っていないカップルというのがいるものだ。

そして主人公はどんなイケメンがやろうとも、早口でちょっとオドオドした、そうウディアレンそのものになる。彼女役はミーハーでインテリ気取りの新しいモノ好き。

ウディアレンがこんなキャピキャピしたエルファニングみたいなのを本命に当てるわけがない。ウディアレンの好みは、グラマラスで唇がぽってりしてて、アンニュイな表情ができる女優だ。そう、スカーレットヨハンソンとか、レアセドゥみたいなね。今回はセレーナゴメス。

ローマでアモーレ、ミッドナイトインパリ同様カップルはすぐに別行動になる。主人公は彼女のいないところで、本来の自分を見つける。で、最後は旅先であった子と一緒になる。

エルファニングの方は悪いことと雨が重なり、ティモシーの方は雨の時にいいことが起こる。2人の価値観はズレていく。

母親の教育にことごとく反対だったのに彼女の選び方は母親の教育どおり…そのことの違和感にようやく気づくのが母からの独白…

と、まぁ映画だからね、こんなことが起こるのですよ。映画だからね、ピアノに歌歌ってウットリなんてムードあるのよ、本当にウディアレンな野郎だと、ピアノなんか弾かずにあそこは政権批判のうんちくで埋めてしまうぞ。

皮膚科医は嘘なんだよな。暇つぶしに美術館行こうよって言われたら、そう言いたくもなる。ホント主人公早く気づいてくれ、さっきレベル4以上のキスしただろ、姉よりちゃんとキスしてんだろうが…という気持ちになる。


映画だからね、映画の裏方にジュードローみたいなのがいるんですよ、最初目を疑った。あまりに溶け込んでいて。

そしてあの監督、なんだろうロマンポランスキーかな?奇しくもロマンポランスキーと同じような訴訟問題を抱えるウディアレン。ウディアレンよ、君の作風だとポランスキーよりダメージでかいぞ。


#余談
アプリでマッチングした子がこの映画大好きって言うから、会話のネタ広げるためにわたしゃ土曜日の朝に見たのですよ、健気でしょ?ただ僕にはそこまで刺さらなくて、これはウディアレンの一映画だったのですよ。

だから映画の感想が淡々してしまい…

まぁでも会話を広げようと思って観たという気持ちは汲んで欲しいものよ。

しかし諸君、映画の話題は落とし穴があるからしないほうがいい。同じ映画を見ても気にいるポイントが人それぞれだからだ。

たぶん本作を好きという女の子はですね、この作品が好きなんじゃなくて、ティモシーシャラメが好きなんだよ。そんな子に聞いて観なさい、「君の名前で僕を呼んで」観た?て。

薄々そんな気がしてたから、本当は映画僕もすごく好きていえば良かったのかもしれないけれど…

いや、映画自体は良かったのだけど、これはウディアレンの一映画以上でも以下でもない。

ただ、ちょっと雰囲気がいい感じの子ぽかったので、もっと共感してたら良かったのかも…と。ぬ