中学生のときに観たチャイナタウンの衝撃から、少し避けていた
ポランスキー監督。
ポランスキー監督がポーランドで撮影した数少ない作品のうちの1つを
観てみました。
結論から言いますと、処女作にして、
こんな作品を撮ってしまうなんて、なんて監督だ、ポランスキー監督、
ということです。
オープニングから、私の胸は掴まれてしまいました。
車に映り込む木漏れ日、クシシュトフ・コメダのジャズ。
2人の男女と1人の青年。危ない雰囲気で無いわけがない。
どんなにポランスキーが美しい映像を作り出しても、
何故か漂い続ける危うさ。広々とした湖を観ているのに、
何故か息が詰まる。
何か起きるか、いやなかなか起きらない。それがまたどこから来るか
わからない、緊張感に襲われる。
クリスティーナの変貌に目を見張る。あっという間に妖艶さを身に纏う。
自分がいいなぁと思ったショットはいくつもある。
コメダのジャズと映像が溶けあう瞬間。はっと息を呑む。
いいところを見せたいどうしようもない男と、
不満を抱く女、
どうしようもなく青い青年。
湖の上に浮かぶ密室。広くて狭い。なんとも言えない危うさ。
もう1回観たい。ポランスキー、まだまだこれから観るぞ。