チッコーネ

危険な場所でのチッコーネのレビュー・感想・評価

危険な場所で(1951年製作の映画)
4.0
都会に生きる刑事の内心に蓄積された荒廃をたっぷり描く前半に、退廃の香りが漂う。
後半には雪深い僻村が舞台となり、メロドラマの香りも差し挟まれるが『サイコパスによる少女殺害』という異様なモチーフが物語を覆っているため、充分に刺激的。
犯人の顔をなかなか写さない撮影も怖い。
また自身の分身のような『被害者の父』との交流を通じ、主人公が覚醒していくという脚本は、さりげなく秀逸だ。
ロバート・ライアンはやや表情に乏しいのが難点だが、惚れぼれするほど端正。