HidekiIshimoto

祭りの準備のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

祭りの準備(1975年製作の映画)
3.5
春休み高知旅行の前になんか高知映画ないか探したら、社会派名匠黒木和雄のこれそうだった。高知県中村市。土佐弁が似合いすぎるMr.アートシアターギルド原田芳雄。は当然として主要キャスト誰もがリビドーの命じるままギンギンに生きてるこの感じ、誰もがヘナヘナで生きてる東京から見たら獣かよ!だけど、まあこの辺が人類の本性でしょう。爺はヒロポンでクルクルパーのお姉ちゃんに狂い、放蕩親父(ハナ肇!)は愛人宅で息子に飯を食わせ、息子はムスコの扱いに困り、お嫁さんにしたい女優No. 1だった竹下景子までが純情息子のムスコにむしゃぶりついていく。はたから見るだけなら面白すぎるこのはちゃめちゃ田舎模様は九州の俺の田舎彷彿で、けどここじゃ俺の祭りは始まらないと東京を目指す純情息子の心情はめちゃくちゃ判る。そんなこんなでラストはフェリーニの『青春群像』彷彿。ああ懐かしくも鬱陶しい故郷。そして鬱陶しくも離れがたい東京。その狭間でいつまでも宙ぶらりんな俺なのであった。