“マーティン・スコセッシ×ロバート・デ・ニーロ”
最恐のロバート・デ・ニーロ。
彼の演技の素晴らしいところは、たとえば幾つかの映画で同じ“狂気”を描いても、彼は違う顔になってしまうことだと思います。
今作は、『恐怖の岬』(′62)のリメイク。
ロバート・デ・ニーロは自身の弁護士だったにも関わらず、敗訴へ導き、レイプ犯として14年間の獄中生活を送ることになり、その復讐を行うマックスを演じます。
復讐を受けるのは、その弁護士家族なのですが、これ以上ない程の恐怖の淵に追い詰められて行きます。
とんでもないサイコパスっぷりのマックスなのですが、ロバート・デ・ニーロが演じるとそのサイコパスっぷりに何故か説得力が生まれてしまうのが不思議です。
観ている方も吸い込まれてしまいそうになる。
この恐怖を増大させるのは、マーティン・スコセッシ監督をはじめとした撮影陣の凄さ。
所謂、“視覚効果”を導入した技術がひとつひとつのシーンをより恐ろしいものにしています。
僕は観たことがないのですが、ホラーの傑作と言われる『回転』(′61)を手掛けたフレディ・フランシスが撮影を担当していることも大きな要因だとか。
機会があれば、『回転』も鑑賞してみたいところです。
また、この作品は元々はスティーブン・スピルバーグが監督する予定だったが、彼とロバート・デ・ニーロとの依頼によってマーティン・スコセッシに監督が任された点も実に興味深いです。
僕にとっては「面白くないわけがない!」要素がたっぷりだった今作。
やっぱりそれは間違いなかったと思っています。
多少の耐性はついてきたものの、“グロ”が苦手な僕は手で目を覆ってしまうシーンもありましたが、ご覧になられていない方には是非オススメしたいと思います。
観て良かった。