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太陽はひとりぼっちのKSatのレビュー・感想・評価

太陽はひとりぼっち(1962年製作の映画)
4.3
アントニオーニの映画の中でも、その表現が極致に達した、逸品。

冒頭の長い「無言」と、伝説的なラスト10分の「不在」に挟まれた二人の関係はしかし、「永遠の愛」などというようなものでは決してなく、アントニオーニ自身言う所の「愛の不毛」が、どこまでも長く横たわり続ける。

近未来的なキノコのようなビルヂング、人工的な公園、証券取引所で立ち尽くす物言わぬ群衆といったイメージは、モニカ・ヴィッティからある種の時代性や地理的背景を剥ぎ取り、永遠の孤独を我々に追体験させてくれるのだ。

ミーナが唄う明るいツイストだけが、いつまでも響く。
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