トランスマスター

カサンドラ・クロスのトランスマスターのレビュー・感想・評価

カサンドラ・クロス(1976年製作の映画)
4.0
♯58 コロナ禍の今こそこの作品を観るべきパンデミックムービー。

スイスのジュネーブにあるWHOの研究機関にテロリストが襲撃し警備員と銃撃戦に発展する。そこで米軍が極秘裏に研究している細菌の容器が破損して2人のテロリストがその細菌を浴びながら逃走。
テロリストは空気感染性の謎の肺炎ウイルスに侵されながらもパリ経由のスウェーデン・ストックホルム行きの大陸縦断列車に潜伏。
テロリストと濃厚接触した乗客がどんどん風邪の症状から悪化していく中、乗客の医師、その元妻の作家、ドイツ軍産複合体CEOの妻とその愛人の登山家、TATOOを手首に彫った神父、ユダヤ系の老人、若いカップルと乗客1,000人を含む密閉空間におけるパンデミック群像劇です。

◆良い点/注目ポイント
・米軍のサザンクロスへの進路変更の目的がウイルスの根絶と情報隠蔽なのが恐ろしいのとヘリで感染者を救助するのもあくまでサンプル採取が目的というところがリアルです。
・駅を封鎖する警察や防護服を着て列車を警護する軍人の描写など各国のロックダウンのようです。
・カサンドラクロスって『北斗の拳』に出てきそうな地名です。

◆改善点
・肺炎に感染したテロリストがごはんに咳をまき散らしているシーンが、今作最大のバイオテロです。
・登山家の列車切り離しミッションは意外と地味です。

◆総括
・人物の伏線回収などやCGがない時代にもかかわらずラストのクライマックスの派手さなど70'sパニックムービーの底力を感じました。

-2020年 58本目-