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恋の手ほどきのBaadのレビュー・感想・評価

恋の手ほどき(1958年製作の映画)
3.7
ヘプバーンが舞台で当たりを取った作品の映画化といういきさつのせいか、せっかくのレスリー・キャロンの主演作というのにダンスシーンが地味な上に、歌のシーンでも特に見せ場がないように思えたのは少し残念です。でも、肝心のミュージカルシーンが地味な分、美術やドラマ部分は丁寧に手をかけてあって楽しめました。

とくに印象派の絵画から想を得た前半の美術は凝っていて大変素晴らしい。「巴里のアメリカ人」で出来なかった事も今回やってみましたという感じですね。

舞台は19世紀末のフランスという事で、階級の区別や「愛人」の契約がしっかりとあった時代。その時代を舞台にした可愛らしい恋物語です。身分の差や年齢の差をどうやって乗り越えるかは見てのお楽しみですが、大人の思惑を軽々と乗り越えるGIGIの若々しさが素晴らしい。レスリー・キャロンの演技が生き生きしていて良い感じです。舞台ではともかく、映画のキャスティングは彼女で正解でした。

私は、シュバリエには魅力は感じませんでしたが、ヴィンセント・ミネリの演出やレスリー・キャロンの演技には外れはなさそうです。この二人が関わっている作品をもっと見てみたくなりました。(DVD)

(美術と撮影の美しさに驚く 2011/6/6記)
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