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電撃フリントGO!GO作戦の3104のレビュー・感想・評価

電撃フリントGO!GO作戦(1966年製作の映画)
3.5
地球の気象を操り世界征服を企む組織「ギャラクシー」。彼らの野望を阻むため、国際連帯秘密諜報機構「Z.O.W.I.E.」は伝説のスパイ、デレク・フリントを差し向ける・・。

当時流行し氾濫していたであろう「007」をはじめとするスパイアクションものの中の一作。といってもガチガチにハードなわけでもパロディに満ちているわけでもない。それなりに格好がよくガジェット類も見栄えがよく(82+1種類の機能を持つライターや耳に残る着信音のホットラインが印象的)、ジェリー・ゴールドスミスの流麗かつヒップな音楽はとても心地が良い。しかしどうにも全体的に「ユルい」部分が良くも悪くも目立つ。
ジェームズ・コバーン演じる主人公フリント。妙な型の武術の達人で自ら心臓の動きを止めるという荒業の持ち主で、銃も持たずに敵陣に乗り込んで万事ことを進めてゆく。フリントのキャラ自体は魅力的だが、対する敵組織ギャラクシーの迎撃態勢がいかんせん貧弱だ。差し向けられる殺し屋などはとにかく、ギャラクシー本部での攻防がとかくのんびりしている。敵ボスの3人の科学者も全く画面に映えず、窮地になると「降参しよう」とオロオロするばかり。全編を通して緊迫感に乏しく、また“本家”007のようなウィットやユーモアに富んでいるわけでもない。
ただそういった点をことさらマイナスに捉えるのではなく、その「ルーズさ」「都合の良さ」を気軽に楽しむのが今作の正しい?鑑賞法ではないだろうか。

それでも物語が進むにつれ、徐々に「アメリカ的大味さ」が顔を覗かせてくるあたりがどうにもいけない。特にラスト、「基地大爆発」からの「キャスト大笑い」で締めくくるあたりは、いかにもアメリカ人的率直さというか、情緒のない“頭の悪さ”に溢れている。
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