ごろちん

愛情萬歳のごろちんのレビュー・感想・評価

愛情萬歳(1994年製作の映画)
3.9
『青春神話』と同じように、性格の異なる2人の青年、葬具屋営業マンのシャオカン、露天商のアーロン、そして不動産仲介屋の女性メイが高級マンションの空き室を通じて織り成すドラマ。

途中まで「え⁈何これ台詞無い映画だったん?」と思ったくらい会話が少ない作品。

「孤独」を象徴するマンションの空き室。集合住宅の中にぽつんとある空き室は、人混みの中で1人だけ同化できない存在のようで寂寥感が漂う。

家具、電化製品、生活用品が一切無い、あるのはむき出しのベッドのみ。都会の喧騒から遮断された孤独な空間の中で、同じく孤独を抱えた3人が互いに愛情を探り合う。

蔡明亮監督はその時代時代の風潮を捉えて、そこに生きる人たちの心情を繊細に描いている。

何も無い部屋に1人でいたら、淋しくてそりゃ西瓜でボーリングでもしたくなりますよね⁈
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