ボンヌ

ティファニーで朝食をのボンヌのレビュー・感想・評価

ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)
3.6
遥かなるムーンリバー

虹の彼方に広がる景色は何なのだろうか、

何年か前に小説で読んで、映画は小説とは別物だとよく理解した上で世間の映画に対する懐疑的な意見から観るのを敬遠してました。

しかし、youtubeにて作中歌「ムーンリバー」を聞いてから、物語や映画の出来栄えはさて置いて、オードリーが歌う「ムーンリバー」は劇場で観たいと思い、初鑑賞。

オードリー演じるヒロインの自由奔放さや自分本意なキャラクターに振り回される男達はさながらかぐや姫か。


手に入れたかったのは、宝石でも豪奢な暮らしでもなく、自らが能動的に愛する対象だったのではないかな?

それは、たった1人の肉親である兄であり能動的に愛するからこそ自分にとってかけがえの無い、夢にまで見るムーン・リーバーなのではないだろうか。

彼女の人生の中で愛される事はあって、本気で何かを愛する事は少なかったのではと思えます。

だから、ラストで主人公から愛
(自らが愛を注ぐ行為、アプリボワゼ)から逃げる事は自身の心の檻から出れないとお説教されて直前で逃がしたネコを必死に探したのかなと。

何かを愛することは決して止めちゃダメだ。

そんな事を思わせてくれる作品でした。
ボンヌ

ボンヌ