RAY

ブルーバレンタインのRAYのレビュー・感想・評価

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)
4.5
ずっと観たかった作品なのに、今になったことを後悔しています。

感じたことが多すぎて、読んで下さる方にきちんと伝わるか不安ですが書きます。


まず、映画の内容以外の部分についてですが、本当に素晴らしいと感じました。

色使い、音の入れ方、撮り方すべてが。


楽しいところをより楽しく。

哀しいところをより哀しく。


過去と現在を交互に描くという手法も、明と暗の差を際立てています。

観ていて、本当に苦しく、だけど、苦しいのに目の前の映像から離れられなくなります。


さて、内容についてですが、僕は胸が苦しくて苦しくて仕方がありませんでした。

気持ちが行き違うことは本当に辛いことです。

今までは伝えられたのに、分かりあえたのに。

出逢って、恋をして、結ばれて。

そこまではその後の時間と比べれば、あっという間のことです。

だからこそ、幸せのかたちというのは変化していくのだと思います。

誰かと時間を共にするということは、許し合うこと。

正直なところ、僕が男性だからだと思いますが、ライアン・ゴズリング演じるディーンがあそこまで突き離されなければいけないのかと感じました。

彼が言った、「もし僕が、君を傷付けたなら、それは、君を愛しているからだ」という言葉は、僕は少し分かる気がしました。

でも、それが正しいとか正しくないということはありません。

人と人の気持ちの話だから。

だから、許すことって難しいと思うんです。

苦しいと思うんです。

辛いと思うんです。

そういう難しかったり、苦しかったりする部分を、ライアン・ゴズリングは特に素晴らしい演技で演じ切ったと思います。


『バレンタイン』

大切な人。

ひとつに重なったかたちが、いつまでもくっついていくのは奇跡に近いのかもしれない。

だけど、繋がったら離さないようにもがくくらいのことはしたい。

彼らだってそうだったから、苦しかったんだと思います。


また必ず観ます。


大切な大切な映画になりました。
RAY

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